| ■子宮体がんとは |
子宮の内側を覆っている膜を子宮内膜といい、この子宮体部の内膜から発症するがんのことをいい、子宮内膜がんとも呼ばれます。
子宮内膜は、月経によって毎回剥がれ落ちますから、成熟期の女性には少なく、閉経後の女性に多くみられます。
子宮体がんは欧米人に多く、日本人には少ないがんだったのですが、平均寿命の延長や生活様式の欧米化に伴って増加の傾向にあり、子宮の悪性腫瘍全体の30%以上を占めるようになってきています。
さらに、子宮頸がんと異なり、発症場所を直接観察することができないこともあって早期発見が難しいとされています。
|
| ■原因 |
はっきりした原因はわかっていないのですが、発生時にホルモンの特徴的な変化がみられます。
その1つがエストロゲンが関与するもので、若年女性から更年期女性にみられ、日本における子宮体がんの増加はこの型の増加によります。
もう1つのタイプとして、早期に閉経がおこり老化と突然変異により、子宮内膜が萎縮し発生するもので子宮体がんの2/3は閉経後に発生するこのタイプです。
このように子宮体がんの好発年齢は子宮頸がんよりも高く、平均55~60歳で、50歳代に40%前後が発生し、40歳未満の発生頻度は5%前後であるといわれています。
|
| ■子宮体がんの進行期による分類 |
【0期】
子宮内膜に異形細胞が発生しているが、子宮体がんと区別するのが困難な悪性と良性の境界にある状態のものをいいます。
【Ⅰ期】
がん細胞が子宮体部に限局しているものをいいます。
・Ⅰa期は子宮内膜に限局するものをいいます。
・Ⅰb期はがん細胞の浸潤が子宮筋層の1/2以内のものをいいます。
・Ⅰc期はがん細胞の浸潤が子宮筋層の1/2を超えるものをいいます。
【Ⅱ期】
がん細胞が子宮体部および子宮頚部に及ぶものをいいます。
・Ⅱa期はがん細胞の浸潤が子宮頚管腺のみのものをいいます。
・Ⅱb期はがん細胞の真珠がん子宮頚部間質にまで及んでいるものをいいます。
【Ⅲ期】
がん細胞が子宮以外にも広がっているが、小骨盤腔を超えないもの、または所属リンパ節転移のあるものをいいます。
・Ⅲa期は漿膜ならびに付属器を侵す、ならびに腹腔細胞診陽性のもの、または付属器を侵すもの、腹腔細胞診陽性のものをいいます。
・Ⅲb期は膣転移のあるものをいいます。
・Ⅲc期は骨盤リンパ節ならびに傍大動脈リンパ節転移にあるもの、または傍大動脈リンパ節転移のあるものをいいます。
【Ⅳ期】
がん細胞が小骨盤腔を超えているか、明らかに膀胱または腸粘膜を侵しているものをいいます。
・Ⅳa期は膀胱ならびに直腸粘膜浸潤のあるもの、または直腸浸潤粘膜浸潤のあるものをいいます。
・Ⅳb期は腹腔ならびに鼠径リンパ節転移を含む遠隔転移のあるもの、または鼠径リンパ節転移を含む遠隔転移のあるものをいいます。
|
| ■症状 |
子宮体がんの初発症状の80%以上が不正性器出血で、その他におりものの増加や変化、腹痛で全く症状がみられない場合はほとんどないといわれています。
不正性器出血は、ごく少量かおりものに混じって茶褐色のおりもの程度です。
初期の場合、おりものは水様性で、がんが進行すると血性となり、感染を伴うと膿性となり、この膿が子宮内に溜まると子宮留膿症と呼ばれるものになります。
|
| ■検査・診断 |
問診により、年齢、月経の状態、自覚症状などによります診断がおこなわれます。
次に子宮内膜の細胞診がおこなわれ確定診断がなされます(子宮内膜細胞診による体がんの検出率は90%以上といわれています。)
さらに詳しく調べるために子宮内膜の組織を採取し、精密検査がおこなわれます。その他、腫瘍マーカー、超音波検査、CT検査、MRI検査などがおこなわれます。
|
| ■それぞれの進行期による治療 |
子宮体がんの治療法は手術が主で、その他に放射線療法、化学療法などがおこなわれます。
【0期】
単純子宮全摘出術(子宮は全て摘出するが、卵巣を残す手術)または、黄体ホルモンの大量投与するホルモン療法をおこなう場合もあります。
【Ⅰ期】
広汎子宮全摘出術(子宮全摘出に加え、両側卵巣、卵管、リンパ節を摘出する手術)がおもにおこなわれますが、妊娠を希望する場合は進行度によっては子宮を残したり、リンパ節を残したり、子宮のみを摘出したりとさまざまなケースがあります。
【Ⅱ期】
広汎子宮全摘出術(子宮、両側卵巣・卵管、リンパ節を摘出する手術)がおこなわれ、さらに状態によっては放射線療法や化学療法の併用がなされます。
【Ⅲ期】
広汎子宮全摘出術(子宮、両側卵巣・卵管、骨盤内リンパ節と傍大動脈リンパ節を摘出する手術)がおこなわれ、さらに状態によっては放射線療法や化学療法の併用がおこなわれます。
【Ⅳ期】
手術療法はかなり不可能となり、それぞれの状態によって放射線療法や化学療法などがおこなわれる他、症状の緩和をはかる対症療法がおこなわれます。
【予後】
子宮体がんの75%は進行期のⅠ期でみつかっていて、5年治癒率はⅠ期で92%、Ⅱ期で78%、Ⅲ期で59%、Ⅳ期で19%となっています。
|
| ■アドバイス |
・閉経後に不正性器出血がみられた場合は放置せずに早めに受診しましょう。
手・術方法によっては子宮や卵巣を摘出することもあり、このことで女性喪失感を感じる方も少なくありませんからパートナーの理解と支えが必要になります。
・術後、さまざまな不安からセックスに不快感や恐怖感を抱くことがありますからパートナーとよく話し合い、理解してもらい、ゆっくり再開しましょう。
・卵巣を摘出したことで更年期症状がみられる場合がありますが、ホルモン療法をおこなうことで改善しますので医師に相談しましょう。。
・自分の体調をしっかり管理し、無理のない生活を過ごしましょう。
|
|
|
|