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■卵巣嚢腫とは
卵巣は女性にとって大切な役割をはたす臓器なのですが、腫瘍ができやすく、そのうえいろいろな種類の腫瘍がみられます。
卵巣にできる腫瘍は、良性腫瘍と悪性腫瘍、そしてその中間的な境界病変にわけることができます。
良性の腫瘍のひとつが卵巣嚢腫で、卵巣の中に分泌物や脂肪などがたまり、腫れてしまうもののことをいい、卵巣の腫瘍にたまる中身の性状によって三つにわけられます。

【漿液性嚢腫】
中身はサラサラした黄色い水様液です。
卵巣嚢腫のなかで一番多く、約30%を占めます。
大きさは握りこぶし大くらいから、まれに子どもの頭の大きさになることもあります。
多くは片方のみに発症します。

【ムチン製嚢胞腺腫】
ネバネバした卵の白身にような粘液がたまります。
大きくなりやすく、大人の頭ぐらいの大きさになることもあります。
卵巣嚢腫の約10~20%を占めます。

【類皮嚢胞腫】
中身はドロドロした脂肪や毛髪、歯、骨、軟骨などです。
なぜこのようなものがたまるのかはわかっていませんが、胚細胞が変化してできるのではないかと考えられています。
卵巣嚢腫の10~15%を占め、多くは卵巣の両側に発症します。

■原因
卵巣の中にさまざまな分泌物がたまる原因はわかっていません。
■症状
嚢腫が小さい場合、自覚症状がなく、子宮がん検診や妊娠によって偶然発見できることがあります。
嚢腫が大きくなるにつれて、下腹部の膨れた感じ、周囲の臓器を圧迫するために頻尿や便秘、下腹部痛が現れます。
中には下腹部に腫瘍を触れることができる場合もあります。
卵巣嚢腫が大きくなると、茎捻転を起こすことがあり、激しい下腹部痛を訴えます。

■検査・診断
内診や超音波検査で診断ができます。
さらに、詳しく調べるために腫瘍マーカー、MRI検査、CT検査などがおこわれます。

■治療
卵巣を切除するかどうかの判断は、腫瘍の種類、性状、年齢、妊娠・出産の希望などによって決定されます。
一般的に悪性の可能性がほとんどない場合は、嚢腫核出術がおこなわれます。
卵巣摘出する場合には、できるだけ片方の卵巣を残す方向がとれます。
嚢腫が非常に大きかったり、他の臓器との癒着が激しいとき、閉経後であれば、卵巣だけでなく卵管と子宮を摘出する子宮・付属器摘出術がおこなわれます。

■アドバイス
・病状によっては卵巣を摘出することになりますから、病状や手術など詳しい説明を聞き納得して受けましょう。
・医師の説明で納得が得られない場合には、セカンドオピニオンを求めることもできます。
・卵巣は片方摘出しても、残りの片方からホルモンが分泌されますし、排卵もおこります。
・卵巣を両方とも摘出した場合は、ホルモンを補うことで不快な症状を軽減することができます。
・定期的に検診を受けましょう。