|
|
|
|
結婚すると、まわりから「赤ちゃんはまだ?」という言葉が聞かれるようになります。
しばらくは気にもならなかったのですが、最近はストレスに感じます。
結婚して1年たっても妊娠しないのは不妊症なのでしょうか。
|
| ■不妊症とは |
妊娠を希望する男女が2年以上性生活を行っても妊娠しない状態をいいます。(日本産科婦人科学会の定義)
生殖機能が正常な男女において、避妊をおこなわず性生活をおくると、3ヶ月以内に50%、6ヶ月以内に70%、1年以内に90%近くが妊娠が成立したというデータがあり、このことから不妊の頻度は10組のカップルに1組ということになります。
|
| ■不妊症の原因 |
妊娠は女性のからだの中でおこるのですが、だからといって不妊の原因が女性に全てあるというわけではありません。
妊娠は男性と女性が存在してはじめて成立し、さらにさまざまな条件が整わなければなりません。
ですから不妊症の原因は男性側、女性側、それに男女両方に存在する場合があります。
調査報告によって多少の違いがありますが、不妊症の原因の半数近くは男性側にあるといわれています。
【男性側の原因】
・造精機能障害
精子の数が少ない乏精子症、精液中に精子がまったく存在しない無精子症、精子の運動率が悪い精子無力症、精子奇形など。
・精路通過障害
何らかの原因で精管の欠損や狭窄、閉塞などがおこり精子が通過できない。
・性交障害
病気が原因または心的原因でおこる勃起不全、性器の異常などによる射精障害、射精された精液がペニスに流れず膀胱へ逆流してしまう逆行性射精など。
【女性側の原因】
・排卵障害
ホルモンの分泌に問題があって、卵巣の中で卵子が発育しないまたは、発育しても排卵がおこらない。
・卵管障害
卵子は卵管の先端にある卵管采、卵管を通って子宮腔内に到達します。
この通過の過程の異常、例えば卵管采の癒着、卵管の狭窄や閉塞などがあって受精できなかったり、受精卵が子宮腔内に移動できず、着床できないため妊娠が成立しません。
・子宮内膜症
子宮内膜症が発生している場所によって障害が異なります。
卵巣であれば排卵障害、卵管であれば通過障害、子宮内であれば着床障害がおこってきます。
・子宮頚管の精子通過障害
子宮頚管粘液の量が少ない、子宮頚管粘液に抗精子抗体があり受精できない。
・子宮の着床障害
子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮形態異常などやホルモン分泌異常で受精卵が子宮内に着床できない。
以上のように不妊症の原因は多岐にわたっているのですが中には原因がわからないこと場合もあります。
|
| ■不妊症の検査 |
不妊症の原因が男女双方にあるということがわかっていますから検査も男女とも受けることが望ましいでしょう。
【男性の不妊検査】
・問診
年齢、職業、結婚年数、現病歴、既往症、性生活、避妊期間、喫煙、飲酒などが聞かれます。
・視診・触診
一般的な全身の診察、外性器の診察がおこなわれます。
・精液検査
精液を採取し、精液量、精子数、精子の活動性などが調べられます。
精液検査に問題があれば、染色体や内分泌検査などがおこなわれます。
【女性の不妊検査】
・問診
年齢、職業、結婚年数、現病歴、既往症、月経周期、妊娠・出産歴、性生活、避妊期間などが聞かれます。
問診は不妊の原因を調べるためにも大切なことですから正直に答えるようにしましょう。
質問内容に関しては秘密守られます。
・基礎体温
基礎体温のグラフから月経周期、排卵の有無、ホルモンバランスなどをみます。
事前に基礎体温を3ヶ月ほど計って、記録しておくと良いでしょう。
・視診
一般的な全身の診察に加え、腹部の触診がおこなわれます。
・視診・膣鏡診
外性器の発育状態や膣の状態、分泌物の有無を調べます。
内診・直腸診
子宮や卵巣の位置、大きさ、形、発育状態、子宮内膜症の有無、筋腫や腫瘍の有無などを調べます。
・超音波検査
子宮や卵巣、卵管の形、腫瘤などの有無、子宮内膜の状態、卵胞の大きさなどを調べます。
感染症の検査
卵管炎や子宮内膜炎などが原因となっていることがあるためクラミジアなどが調べられます。
・血液検査
月経周期によって分泌されるホルモンが異なりますから、基礎体温から低温期(卵胞期)と排卵期、高温期(黄体期)にそれぞれのホルモンの量を調べます。
・卵管造影検査
子宮内に造影剤を入れ、レントゲン撮影をおこなうことで、子宮の大きさは形、筋腫や腫瘍の有無、卵管のつまり具合を調べます。
この検査後に卵管の通りがよくなり、検査後に妊娠することがあり、ある意味治療も兼ねた検査です。
・卵管通気検査
子宮内に炭酸ガスを送り込み、圧力の変化をグラル化し卵管のつまりを調べます。・子宮頚管粘液検査
子宮頚管から子宮頚管粘液を採取し、粘液量を調べます。
また、顕微鏡で調べ、排卵の時期を予測することができます。
・フーナー検査
排卵日の頃に性交をおこなってもらい受診します。
子宮頚管粘液を採取し、子宮頚管粘液の中で精子の数や活動を調べ、精子が子宮内腔までたどりつける能力があるか女性の子宮頚管粘液と精子の相性を判定します。・その他に、抗精子抗体検査、ホルモン負荷検査、子宮内膜組織検査、子宮鏡検査、腹腔鏡検査などが必要に応じておこなわれます。
注)上記の検査すべてがおこなわれるということではなく、それぞれのケースによって必要な検査が段階をおっておこなわれます。
|
| ■不妊症の治療 |
さまざまな検査の結果、不妊の原因がはっきりすると、その原因を取り除く治療がおこなわれます。
【タイミング療法】
不妊治療の基本治療で、基礎体温、超音波検査で卵胞の大きさを計り、血中・尿中LH(黄体ホルモン)量を調べ、子宮頚管粘液検査などで、排卵日を予測し、性交のタイミングをはかる治療法です。
【排卵障害の治療】
・精神的ストレス、肥満、極端な体重減少なが原因で排卵がおこってないケースの場合、生活習慣、食生活の改善をはかるよう指導がおこなわれます。
・排卵誘発剤
黄体ホルモンを投与すれば月経がおこる第1度無月経には、視床下部や下垂体にはたらきかけ、卵巣をおだやかに刺激して卵を育て、排卵を促すクロミフェン療法がおこなわれます。
クロミフェン療法で排卵がおこらない場合には、排卵時期に卵巣を刺激する絨毛性ゴナドトロピンの注射をおこなうゴナドトロピン療法がおこなわれます。
高プロラクチン血症ある場合は、プロラクチンをおさえるドパーミン作業薬により治療がおこなわれます。
【卵管障害の治療】
・子宮卵管造影検査、卵管通気検査、卵管通水検査などをおこなうことで卵管の通りが良くなることがあります。
・卵管鏡下卵管形成術…膣から内視鏡を内蔵した細いカテーテルを挿入し、先端のバルーンをふくらませ、つまっている部分を押し広げる方法。
・腹腔鏡下手術…卵管采部や卵管周囲の癒着を腹腔鏡を使って癒着剥離をおこなう手術。
【子宮の内着床障害の治療】
・子宮筋腫、子宮内ポリープなどがあれば手術がおこなわれます。
・黄体機能不全が原因の場合は、黄体ホルモンを内服、注射で補います。
または卵巣の黄体そのものを刺激する排卵誘発剤により、黄体ホルモンの分泌を促す治療がおこなわれます。
・子宮内膜炎などや感染症などに対しては薬剤療法により治療がおこなわれます。
【人工授精】
・適応は、乏精子症、精子無力症、勃起障害、性交障害、子宮頚管粘液量が少ないなどの場合におこなわれます。
・方法は、女性の排卵の時期に、男性が採取した精液を洗浄・濃縮したものをカテーテルで子宮の奥まで運び、注入する方法です。
【体外受精・胚移植】
・適応は、両側の卵管閉鎖、抗精子抗体がある、子宮内膜症、精子無力症、その他原因不明によるもの。
・方法は、
①排卵誘発剤が事前に投与されます。
②卵胞が成熟したら、超音波下で卵胞に直接針を刺し、卵子を吸引採取します。
③採取された卵子を培養液入れ、それに活動性の高い精子を入れ培養をおこないます。
④受精すると、その後細胞分裂が繰り返えされ、細胞が4~8分裂になった時点で受精卵を子宮内へ移植します。
【顕微受精】
・適応は、精子の数が極端に少ない、活動性の高い精子が極端に少ないケースにおこなわれます。
・方法は、
①排卵誘発剤が事前に投与されます。
②卵胞が成熟したら、超音波下で卵胞に直接針を刺し、卵子を吸引採取し、顆粒膜細胞を取り除き、培養液に入れます。
③採取された精液を調べ、活動性の高い精子を選び、培養液に入れます。
④顕微鏡下で、最も活動性の高い精子を選び、ガラス針で吸いとり、そのガラス針を卵子の細胞質に差込、精子を注入します。
⑤精子が注入された卵子を培養液に入れ、培養を続けます。
⑥受精していることが確認できれば、細胞が4~8分裂になった時点で受精卵を子宮内へ移植します。
|
| ■アドバイス |
・妊娠を希望し、なかなか妊娠しない場合はまずは基礎体温をつけましょう。
・不妊は二人の問題ですから二人揃って病院を尋ねましょう。
・不妊の原因がわかったことで精神的に大きなダメージを受けることもありますからパートナーとして優しく励ましてあげましょう。
・不妊の治療は、心身両面に大きな負担となりますし、費用もかなり高額になりますから二人揃って説明を受けましょう。
・不妊治療は医師の一方的な考えでおこなうのではありませんから、二人でよく話し合って治療方針を医師と相談し、考えましょう。
・不妊治療は一度で成功するとは限らず、ときにはうまくいかず落胆なさる方も少なくありません。
二人で支え合いながらあせらず、二人のライフサイクルの中でチャレンジしてください。
・セックスが妊娠のためだけになってしまうと楽しいものでなくなってしまいます。セックスを楽しみ、ゆたかなに過ごすことも大切なことですから工夫しましょ
・どうしても妊娠できないこともあります。
その時には二人で話し合い人生をどう一緒に楽しむか前向きに考えましょう。 |
|
|
|
|
|